Alpine Linuxの基本コマンド解説①|Cisco Modeling Labsでの基本操作入門

Network
この記事は約9分で読めます。

本記事は2部構成となっています。設定方法を知りたい方は②をご確認ください。

Cisco Modeling Labsでの使い方入門を使ってネットワークを検証中の方には、
以下のことでお困りではありませんか?

  • Cisco Modeling Labs上でdesktopを使ってみたがlinuxで操作がわからない。。
  • Alpine Linuxは名前は知っているけど、操作したことがない

今回は、初めてAlpine Linuxを触った筆者が調べながら設定コマンドや確認方法をまとめた記事になります。

Cisco Modeling Labs上で検証機としてApline lLinuxをご利用する方向けに解説する記事になります。

正確な情報などを知りたい方は他のブログや情報源も参考にしてください。

以下、Cisco Modeling LabsはCMLと略称します。

そもそも「Alpine Linux」ってなんて読むの?

そもそもなんて読むか問題ですよね

Alpine Linuxは「アルパイン リナックス」と呼びます。

Windowsとの違いについて

普段Windowsを使っている方がAlpine Linuxに触れると、まず大きな違いに戸惑うと思います。

  • それは 「操作がすべてコマンドラインで行われる」 という点です。

windowsでは、GUIのようなグラフィカルな操作が中心です。
(コマンドプロンプトのようなCUIでも操作はできますが。。)

例えばIPアドレスを変更する場合、コントロールパネルや設定画面から「ネットワークと共有センター」に進み、GUIでアドレスを入力することができます。

一方、Alpine Linuxでは基本的にGUIがありません

そのため、IPアドレスを設定する場合は 該当する設定ファイルを直接編集して値を書き込む という方法になります。

さらに、この変更を再起動後も有効にしたい場合は、設定ファイルを正しく編集して保存する必要があります

ここが初心者にとって「とっつきにくい」と感じやすい部分だと私は考えています。

ルートディレクトリ構造

Alpine Linuxを含むLinux系OSでは、すべてのファイルやフォルダは「ルートディレクトリ(/)」から始まります。

これはWindowsでいう Cドライブ のようなイメージだと考えてください。

ルートディレクトリには次のようなフォルダがあり、それぞれに役割があります。
※必要な個所だけ補足しています。

ルートディレクトリ / の中身(Debian 12 / CML環境)
/
├── bin         : 基本コマンド(ls, cp, mv, rm など)
├── boot        
├── config      
├── dev         
├── etc         : 設定ファイル(/etc/freeradius/, /etc/ssh/ など)
├── home       
├── lib         
├── lost+found  
├── media     
├── mnt        
├── opt         
├── proc     
├── root        : rootユーザーのホームディレクトリ
├── run       
├── sbin       
├── srv        
├── sys       
├── tmp      
├── usr         
└── var         

この中には、IPアドレスやホスト名を変更するための設定ファイルが含まれる「 etc」、基本コマンドが格納された 「bin」、管理者用コマンドを置く /「sbin」 など、Linux操作に欠かせないディレクトリが存在します。

つまり、Alpine Linuxを使いこなすためには 「どの設定ファイルがどのディレクトリにあるのか」 を理解することが重要になってきます。

Windowsのようなコントロールパネルから直感的に操作がしずらい為、最初は苦戦すると思います。

こんなにいっぱいあるんだ。。。」と絶望した方は、安心してください

検証機としてAlpine Linuxを使用する場合は、1つだけのフォルダーを覚えておけば何とかなります

その為、これ以降の章で該当のファイル名や操作方法などを説明していきます。

基本の確認

Cisco Modeling LabsでAlpine Linuxを使う上で最初に抑えておくべき基本を確認していきます。

初期状態で押さえておきたいポイント

ノードの 「config」タブには 「node.cfg」 という設定ファイルが存在しており、再起動時に必ずこのファイルが読み込まれます。

その為、Alpine Linuxの中でホスト名やパスワードを変更しても「node.cfg」 ファイルによる上書きが行われ、再起動すると再びデフォルトの状態に戻ってしまいます。

ホスト名やパスワードをApline Linux上で編集したい場合は、node.cfg上の設定(上図の赤枠部分)を削除する必要があります。

私自身も最初は気づかず、「何度もホスト名を設定したのに、再起動すると元に戻ってしまう…」という状況に陥り、しばらく沼にハマってしまいました。

ワンポイントアドバイス

CMLでは、
恒久的に設定を残したい場合はAlpine Linux内の操作だけでなく、configタブの内容も確認しておくこと

ログイン方法について

Alpine LinuxのデフォルトのログインIDとパスワードは以下の通りです。

ログインIDとパスワード
  • ログインID:cisco
  • パスワード:cisco

実際にコンソール画面で入力するとこんな感じになります。

コンソール画面
inserthostname-here login: cisco ←ログインIDを入力
Password: ←パスワードを入力(入力した文字は見えない仕様になっている)
Welcome to Alpine!

The Alpine Wiki contains a large amount of how-to guides and general
information about administrating Alpine systems.
See <https://wiki.alpinelinux.org/>.

You can setup the system with the command: setup-alpine

You may change this message by editing /etc/motd.

inserthostname-here:~$ ←ログインに成功するとプロンプトが表示され、コマンド入力が可能

パスワード入力時は文字が表示されませんが、入力はできてますので、「cisco」と入力してエンターキーを押しましょう。

システムの情報を確認する

まずは、CML上で稼働しているAlpine Linuxのシステム情報を確認してみましょう。

自分が使っている環境のバージョンやファイル構造を把握しておくと、トラブルシューティングや追加設定を行いたいときに役立ちます!

Windowsでは「エクスプローラー」でファイル一覧を見たり、ダブルクリックでファイルの中身を開いたりできますが、Alpine LinuxではGUIがないため、すべてコマンドで操作する必要があります

OSバージョンの確認する

Apline LinuxのOSバージョン情報は「/etc/os-release」 に書かれています。

以下のコマンドを入力して確認しましょう。

コマンド
cat /etc/os-release

実行結果は以下の通りです。

実行結果
inserthostname-here:~# cat /etc/os-release ←コマンド実行
NAME="Alpine Linux"
ID=alpine
VERSION_ID=3.21.3
PRETTY_NAME="Alpine Linux v3.21"
HOME_URL="https://alpinelinux.org/"
BUG_REPORT_URL="https://gitlab.alpinelinux.org/alpine/aports/-/issues"
inserthostname-here:~#

権限操作

Alpine Linuxでは、ユーザー権限によって実行できるコマンドやファイルの読み書きなどに制限があります。

この点は、Windowsでも同じですね。

Admin権限がないとファイルの編集やソフトのインストールが行えないイメージになります。

Alpine LinuxではUser権限とroot権限があります。

権限プロンプト表示例
user権限$localhost:~$
root権限#/home/cisco #
  • 権限はプロンプトによって判別可能です

root権限へ移行する

管理者権限を持つrootユーザーに切り替えるためには「su」コマンドを使います。

コマンド
su

実行結果はこんな感じです。プロンプトが変わっていることが確認できますね。

実行結果
localhost:~$ su
/home/cisco #

管理者権限からユーザー権限へ戻りたい場合は、「exit」コマンドを使います。

コマンド
exit

ちなみに補足ですが、Alpine Linuxではコマンド単位で管理者権限として実行するコマンドもあります。

ワンポイントアドバイス

sudo」コマンドを用いれば、コマンド単位で管理者権限で実行できる

【補足】操作しているユーザーを確認する

補足になりますが、現在、自分がどのユーザーで操作しているのか確認することができます。

コマンド
whoami
ワンポイントアドバイス

CMLでは、ログインした際のデフォルトのユーザーは「Cisco」、管理者権限のユーザーは「root」になります。

ファイル操作の基本

ディレクトリの一覧を表示する

ls」コマンドを使うと、

指定したディレクトリ内にどんなファイルやフォルダがあるかを一覧で表示できます。

コマンド
ls /ファイル名

実行結果は以下の通りです。「var」ディレクトリ内にあるフォルダーの一覧を表示させました。

実行結果(例)
localhost:~$ ls /var/ ←コマンド実行
cache  empty  local  log    opt    spool
db     lib    lock   mail   run    tmp

ファイルの中身を確認する

ファイルの中身を表示したいときは cat コマンドを使います。Windowsでファイルを「メモ帳で開く」と同じ感覚です。

コマンド
cat /ファイル名

実行結果は以下の通りです。

実行結果(例)
localhost:~$ cat /etc/hostname ←コマンド実行
localhost
localhost:~$

最後に(続きは別記事で)

ここまでで、Alpine Linuxを触るうえで欠かせない「基本操作」を一通り確認してきました。
システムのバージョンを調べたり、ファイルやディレクトリを扱ったりといった作業は、本記事でご紹介したApline Linux以外でも役立つ知識かと思います。

実際にネットワーク検証やサーバー用途でAlpine Linuxを使う場合は、本記事だけでは、不十分です。
ホスト名を変更したり、IPアドレスを設定したりといった 「システム設定」や「ネットワーク操作」 が必要になります。

これらの操作については、次の記事(②設定とネットワーク編)で詳しく解説していきますので、あわせてご覧ください。

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